おとなの予防接種について

おとなの予防接種のイメージ写真

おとなの方の予防接種は内科一般診療時間内で接種させて頂きます。
取り寄せが必要なものもあるためお電話(077-548-6655)にて予約ください。
接種当日は健康保険証と接種券(定期接種の方)が必要です。事前に予診票の記入をして頂くと接種がスムーズです。

当院で実施しているおもな予防接種

高齢者肺炎球菌ワクチン

肺炎は高齢者や持病のある方がインフルエンザや風邪をこじらせて、細菌が肺に侵入して生じることが多いです。
その原因菌として一番多いのが肺炎球菌です。
肺炎球菌ワクチンは高齢者の肺炎予防に最も有効な手段と考えられています。

肺炎球菌ワクチンにはニューモバックス(PPSV23)、プレベナー13(PCV13)、バクニュバンス(PCV15)があります。
バクニュバンスはプレベナー13の13種類の血清型に、2種類の血清型を加えた15価結合型ワクチンであり、いわばプレベナー13の改良型ワクチンと言えるかと思います。
バクニュバンスは2023年4月に発売開始となり、今後プレベナー13に置き換わっていくものと思われるため、以下プレベナー13の説明は割愛させていただきます。

ニューモバックス(PPSC23)

ニューモバックスは90種類以上ある肺炎球菌の血清型のうち「23種類の肺炎球菌の膜の成分に対しての抗体を作るワクチン」です。
ニューモバックスは23種類とカバーできる肺炎球菌の血性型は多いのですが、B細胞のみが活性化され、1度ワクチンを接種すると抗体ができても免疫応答が弱いために、5年おきの再接種によって抗体を維持していく必要があります。
現在65歳以上の高齢者に、肺炎球菌ワクチンのニューモバックスに一生に1回の定期接種の制度があります。
65歳以上の方はよほどの理由がない限り接種をおすすめします。

定期接種対象者
  1. 対象の期間に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方
  2. 60歳以上65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障がいを有する方(身体障害者手帳1級を有する方および1級相当の障害を有する方

定期接種の対象の方には市町村から接種券(はがき)が届きます。
案内はがきが届いた方でも、過去にニューモバックスを接種した方は定期接種の対象外となりますのでご注意下さい。

接種費用
定期接種の対象者
(草津市・栗東市からの受診券(ハガキ)をお持ちの方)
2,600円

大津市の方は事前に大津市保健予防課(電話番号077-526-6306)へお電話いただき必要書類をお取り寄せ下さい。

自費(定期接種以外) 9,000円 (税込み)

ニューモバックス(任意接種)の予診票ダウンロード

バクニュバンス(PCV15)

バクニュバンスは「15価結合型ワクチン」です。
高齢者および肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人に任意接種が認められています。
肺炎球菌の血清型のうち15種類をターゲットにしており、肺炎球菌の莢膜と呼ばれる多糖類に対して、キャリア蛋白を結合して抗原としたワクチンで、T細胞というリンパ球の活性化がおこり、メモリーB細胞を誘導できます。
このメモリーB細胞に肺炎球菌の一部を覚えさせておくことで、いざ肺炎球菌に感染したときに迅速に対応できるようになります。
つまりバクニュバンスはニューモバックスと比べるとカバーできる血清型の数は少ないですが、免疫を長いこと覚えさせておくことが可能なワクチンとなっています。
ニューモバックスと違い、1回の接種で免疫が持続し肺炎予防効果があります。

接種費用
自費 11,000円 (税込)

バクニュバンス(任意接種)の予診票ダウンロード

ニューモバックスとバクニュバンスの併用

両者を併用することで、バクニュバンスの強力な免疫誘導力とニューモバックスの幅広いカバー力を生かしてより強力な肺炎球菌感染に対しての予防効果が期待できます。
先にバクニュバンスを接種し、その1年以上4年以内にニューモバックスを接種するとブースター効果(追加免疫効果)が期待出来ると言われています。
特に、糖尿病や呼吸器疾患・肝疾患・腎疾患の持病のある方や免疫抑制剤を内服中の方、悪性腫瘍のある方など感染リスクの高い方は併用をおすすめします。
併用の場合のスケジュールについて日本感染症学会/日本呼吸器学会より下記の考え方が提示されています。
正直ややこしいので、接種のタイミングなどについてはお気軽にご相談下さい。

65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹は、50歳以上であればワクチン接種によって予防することができます。帯状疱疹予防ワクチンには2種類あります。1つめは小児に使用する水痘ワクチンと同じである弱毒化生ワクチン、もう1つが帯状疱疹を予防するために独自に開発されたサブユニットワクチンであるシングリックスです。
基本的には自費ですが、令和6年4月1日から草津市では65歳以上の高齢者の費用の一部を助成されることとなりました。
水痘ワクチンの場合は4,000円の助成、シングリックスの場合は2回接種完了で20,000円の費用が助成されます。
詳細は草津市のホームページをご覧下さい。

令和6年度 帯状疱疹予防接種費用助成を開始します!

  水痘ワクチン シングリックス
ワクチンの種類 生ワクチン 不活化ワクチン
接種回数 1回 2回(2か月あける)
発症予防効果 50~60% 90%以上
効果持続期間 5年程度 少なくとも9年
価格(税込) 8,000円
(草津市の65歳以上の方は
4,000円の助成あり)
1回24,000円
(2回48,000円)
(草津市の65歳以上の方は
2回で20,000円の助成あり)
長所 料金が安い
副反応は少ない
発症予防効果が高い
効果の持続期間が長い
免疫が低下している方も接種できる
短所 効果の持続期間が短い
免疫が低下している方は接種できない
副反応はシングリックスより少ない
料金が高い
副反応は水痘ワクチンより多い。
(発熱2割程度、疲労4割程度、頭痛3割程度)
予診票 ダウンロード ダウンロード

シングリックスは非常に強い帯状疱疹予防効果がありますが、高価です。
また重篤な副反応はまれですが、発熱や全身倦怠感などの副反応は水痘ワクチンより多いです。
多少の副反応は我慢するから、とにかく帯状疱疹を予防したいという方はシングリックス、効果は弱くなってもいいので少ない副反応で安価で予防したいという方は弱毒化生ワクチンになるかと思います。

風疹ワクチン

風疹は、成人がかかると症状が重くなることがあります。また、妊娠初期の妊婦さんに感染させてしまうと、生まれてくる赤ちゃんの目や耳、心臓に障害が起きることがあります。公的に予防接種が行われていなかった昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた男性を対象に「第5期風疹定期接種」が行われており、公費で風疹抗体検査やワクチン接種が行われています。対象の方にはクーポン券が届くので検査を受けましょう。

第5期風疹定期接種の他にも、草津市・大津市等では妊娠を希望される女性やその家族を対象にした風疹抗体検査や風疹ワクチン接種の助成があります。
下記ホームページなどをご確認ください。

滋賀県(風疹抗体検査について)
草津市(おとなの風しん予防接種費用の助成制度(令和5年4月1日以降に予防接種を受けられた方)
大津市(風しん予防接種の費用助成について)

新型コロナワクチン

令和6年度以降は毎年秋冬に1回、その年のウイルス株に対応するワクチン接種を65歳以上の高齢者等(インフルエンザワクチン接種対象者と同様)に対し「定期接種」として実施予定となっております。
詳細がわかりましたらホームページにてお知らせいたします。

インフルエンザワクチン

インフルエンザワクチン接種は2024年10月開始予定です。詳細が決まり次第ホームページにアップさせて頂きます。

自費での予防接種価格一覧

おたふく 5,000円
子宮頸がん(ガーダシル、サーバリックス) 18,000円
子宮頸がん(シルガード9) 31,000円
肺炎球菌(ニューモバックス) 9,000円
肺炎球菌(バクニュバンス、プレベナー) 11,000円
帯状疱疹(シングリックス) 24,000円
帯状疱疹(水痘) 8,000円
麻疹・風疹ワクチン 10,000円
麻疹ワクチン 6,000円
風疹ワクチン 6,500円
A型肝炎 8,000円
B型肝炎 5,000円
破傷風 3,500円
狂犬病 17,000円
ポリオ 11,000円
日本脳炎 7,500円
髄膜炎菌 26,000円

すべて税込価格でございます。