糖尿病診療に力を入れています

当院では糖尿病診療に力を入れております。
「糖尿病かどうか心配」といった方から、「糖尿病で治療中だけど血糖値がよくならない」といった方まで、お気軽にご相談ください。
また糖尿病合併症の予防や進展抑制のためには血糖管理だけでなく、高血圧・脂質異常症・禁煙指導・肥満症などの管理も非常に重要です。
『木を見て森を見ず』(血糖値のみを診て全身の状態を診ない)ということのないよう、『血糖管理だけでなく全身を診る』、『糖尿病をみる』のではなく『糖尿病をもった患者さんを診る』ことを心がけています。

糖尿病とは

糖尿病とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が不十分あるいは作用が低下しているために、高血糖状態が続いてしまう病気です。
糖尿病を放置すると種々の血管合併症を引き起こし、命にかかわる事態に進展することもあります。

糖尿病検査

  • 血糖検査・HbA1c迅速検査
  • 経口糖負荷検査
  • 自己血糖測定 など

血糖検査・HbA1c迅速検査

血糖検査・HbA1c迅速検査のイメージ写真

当院では、血糖管理の指標となるHbA1cが採血後約6分で分かる迅速検査を実施しております。血液検査の結果がすぐにわかることで、患者さまの状況に応じた治療を行えます。

糖負荷検査

糖負荷検査のイメージ写真

血糖値は常に変動しているので、1回の血糖値検査で異常が出てもすぐに糖尿病と診断はできません。
糖負荷検査は、約1食分の糖を含むジュースを飲んでいただき、血糖値がどう推移するかを見て糖尿病かどうかを判断する検査です。
血糖値を下げるホルモンであるインスリンの値を測定することにより、現在のインスリンの出具合がわかります。
また糖尿病でなかった場合に糖尿病へのなりやすさがわかります。
検査を受ける方は、一晩絶食して来院して頂き、採血後に75gの糖を含むジュースを飲んで頂き、30分、60分、120分後に採血します。
1週間ほどでインスリンの出具合を含めた結果がわかります。

自己血糖測定について

インスリンやGLP-1受容体作動薬注射製剤での治療を受けておられる方は、保険診療にて1日あたり1回~4回(2型糖尿病の患者様は1日2回まで)の自己血糖測定が認められています。
当院は指先をチクっとする従来の血糖測定機器の他に、アボットジャパン社の「Freestyleリブレ」を採用しております。

間欠スキャン式持続血糖測定器(フリースタイル リブレ)/機械をかざすだけで血糖値を測れる装置

フリースタイルリブレのイメージ写真1

フリースタイルリブレは、腕に貼り付けた500円玉サイズのパッチに専用の機械やスマートホンをかざすだけで(血液を採らなくても)血糖値をリアルタイムで測定することが可能です。
この検査機器で測定することにより、指先穿刺が不要となるほか、一日の糖の流れを見える化することができ、詳細な評価が可能となります。

フリースタイルリブレのイメージ写真2

急激な血糖の上がり下がりは動脈硬化を促進し、心血管合併症のリスクを高めると言われています。
HbA1cの測定だけでは食後高血糖や夜間低血糖などを見逃してしまうことがあります。
血糖トレンドを見ることで1人ひとりにあった治療を行うことが可能となり、合併症の予防につながります。

フリースタイルリブレのイメージ写真3

境界型糖尿病である私自身も時々リブレを装着しておりますが、食事の内容や食べる順番・食べる速さなどにより食後血糖の上昇の程度が変わることが手にとるようにわかります。
また運動の効果も実感できます。
血糖値の動きがわかることで食事内容や運動習慣の工夫を行ったりなどの行動変容につながります。

フリースタイルリブレを保険適応で使用可能なのは

当院でインスリン製剤の処方をしており、月に1度定期受診頂ける方で、インスリン療法を行っているすべての患者さまです。
保険適応にならない(インスリン治療をされていない)患者さまでリブレ希望の方には自費にはなりますが、リブレの購入、リブレのデータに基づいた診療も可能です。

インスリン治療をしており血糖管理のためリブレを使ってみたいという方、保険適応にはならないけれど自己管理のために自己血糖測定をしてみたい、といった希望の方も気軽にご相談ください。

糖尿病治療について

糖尿病治療の原則は、食事療法、運動療法です。必要な場合に薬物療法を考慮することになります。
その際には、患者さまのライフスタイル、年齢、性別、体格、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの出具合等さまざまな要素を考慮し、適切な治療薬を提案いたします。
日進月歩する糖尿病治療薬を駆使し、必要時はインスリンやGLP-1受容体作動薬自己注射の外来導入も可能です。

糖尿病合併症について

糖尿病合併症のイメージ画像

毛細血管が傷ついて起こる糖尿病固有の合併症3つ(糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症)及び太い血管が傷ついて起こる動脈硬化性疾患(心血管病変〈狭心症・心筋梗塞〉、脳血管障害〈脳卒中;脳梗塞・脳出血〉、下肢動脈硬化症・下肢壊疽)をはじめ、特定の癌の罹患率上昇や感染症、認知機能低下や、骨折等様々な合併症を来します。

糖尿病合併症のイメージ画像2

当院では眼科医との連携や、定期的な尿検査(尿中微量アルブミン検査)、心電図検査、頸動脈エコーを適宜行い、合併症の早期発見につとめます。
残念ながら合併症が出現した際には各専門医と連携し、いかに進行を遅らせるかを重点において治療に取り組みます。